ヨーロッパでは民間医療として用いられてきた歴史がある
今では世界各地で栽培されているラベンダーですが原産地はヨーロッパといわれています。
ラテン語の『洗う』が語源とされるラベンダー。古代ローマ人は、たくさんのラベンダーを浮かべて沐浴をして心身を清めていたと言われます。又、中世の教会の床にはラベンダーが敷かれ伝染病を予防をしたそうですが、その中で多くの僧侶や修道女がラベンダーの研究を重ね治療としてのラベンダーが注目されるようになりました。
生育する標高の高さによって変化するラベンダーの種類
やせた石灰質の高地に生息するラベンダーですが、その標高の高さによって含有する芳香成分や含有量が変わってきます。最高級といわれるハイアルトラベンダーは標高1600m以上に生息し、スパイクラベンダーは、標高300m程度の土地に生育します。
数多くの種類をもつラベンダー
比較的育てやすく交配も生じやすいラベンダーにはラベンダー(真正)・スパイクラベンダー・フレンチラベンダー・ラバンジンなど数多くの種類があります。同じラベンダーの名前があっても作用は全く違うものもあるので注意が必要です。
ラベンダー(真正)の効果の本質は酢酸リナリルの含有量にある
ラベンダー(真正)の精油は、リラックスの代名詞ともいえますが、このラベンダー(真正)がリラックスをもたらす所以がこの酢酸リナリルという芳香成分の含有量にあります。ラベンダー(真正)の主成分である酢酸リナリルとリナロールの鎮静作用が、副交感神経に働きかけリラックス効果をもたらせます。酢酸リナリルとリナロールの含有量はリラックス効果と比例するのです。
多くのトラブルをケアする頼りがいのあるオールラウンダー
主成分である酢酸リナリル、リナロールの他にも、ラベンダーには約300にも及ぶ少量の芳香成分が含まれていてこの多くの芳香成分たちが幅広い薬理効果をもたらせてくれます。鎮静・鎮痛・抗菌・抗炎症など多くのトラブルに使えて比較的安全性の高いラベンダーは、家庭に常備しておきたい精油の一つです。
自律神経のバランスを整え心身の不調を癒してくれる
花同士が距離を保つ今でいうソーシャルディスタンシング=密を避けながら咲く姿からもバランスを取るというラベンダーの得意とする特徴が表れています。副交感神経を活性化させ自律神経のバランスを整えてくれるこの精油は、気圧の乱高下からくる心身の不調の多いこの季節になくてはならない精油です。
気圧の変化に負けないフローラルリラックスオイル
Let’s try❕
【レシピ】ホホバオイル20ml・ラベンダー(真正)精油1滴・ゼラニウム精油1滴・ベルガモット(F.C.F)精油1滴
【作り方】
1 ビーカーなどのガラス容器にホホバオイルを20ml入れます。
2 ラベンダー(真正)精油、ゼラニウム精油そしてベルガモット(F.C.F)精油を加えよく混ぜ合わせます。
【作り方】
お風呂上りなどに、首筋やデコルテ、足裏などに塗布して優しく撫で上げる様にマッサージをします。入浴前に、頭皮に塗布して行う頭皮マッサージもおススメです。
自分の意志でコントロールすることができない自律神経。それを調整する可能性を秘めている精油の力。
このパワーを使わない手はありませんね。
ヨーロッパでは、古くからお祖母ちゃんの薬草として語り継がれてきたラベンダー。日本人には郷愁というよりも異国の香りのイメージですが、その実力は、有名なリラックスや不眠のみならず、認知症など高齢者のケアや発達障害児のケアにも利用されています。脈々と続いてきた民間医療であるアロマテラピーの底力は底知れないポテンシャルをいつの時代でも見せてくれていますね。